八士業紹介

 こんにちは、加村行政書士事務所の加村です。

 

 今日はご存じの方も多いかもしれませんが、「八士業」というものを紹介してみようと思います。

 

 海外の多くの国では、法律家はほぼイコールで弁護士のことを指します。

 しかし、日本には弁護士よりは仕事の幅が制限された法律家の存在が認められています。言い換えれば、各分野の専門家なのです。

 

 厳密な定義があるわけではありませんが、八士業は以下の職業を指すと言われています。

 

  • 弁護士
    • あらゆる権限を持ち、裁判や法律事件について代理人になることができる唯一の資格。
    • 弁護士法72条で定められた非常に強い権限を持ち、弁護士以外の人が紛争に介入すると罰せられます。
  • 司法書士
    • 裁判書類作成や登記の専門家。
    • 土地や会社を国に登録する制度である登記に関して、ほぼ独占的な権限を持ちます。
    • 比較的小規模な事件に限定して、弁護士に準じた権限を持ちます。
  • 弁理士
    • 知的財産の専門家。
    • 著作権や特許に関するスペシャリストであり、法律家でありながら弁理士試験は非常に難しい理系試験です。
  • 税理士
    • 税金に関する専門家。
    • ある意味で一番身近な法律家かもしれません。
    • 税理士試験を受けるには、簿記1級が必要と、難しい試験です。
  • 社会保険労務士
    • 社会保険や労働法の専門家。
    • 特に、労働者の権利に関する分野では、かなり強い権限を持ちますので、お困りの方は相談してみるとよいでしょう。
  • 行政書士
    • 許認可業務の専門家。
    • 専門分野が多岐に渡りますが、名前の「行政」は官公署=役所のことであり、役所から許可をもらう専門家であるというのが土台になっています。
  • 土地家屋調査士
    • 不動産鑑定評価の専門家。
  • 海事代理士
    • 海や船舶に関する専門家。
    • 海に関するトラブルに関しては、弁護士のように強い権限を持ちますが、日本の船舶でなければ関与できないという弱点があります。

 

 当事務所は、行政書士事務所です。

 

 上記の通り、あくまで土台となるのは飲食店の開業など、役所からなんらかの許可をもらうことですが、書類の作成に関しては広い権限をもらっており、国民の皆様の窓口としてお役に立てる場合も多いです。

 

 余談ですが、私は行政書士の他に海事代理士の試験にも合格しております。

 

 以上、日本には様々な法律の専門家がいますので、お困りの内容に合わせて、いろいろな先生に相談してみることで、比較的安価に問題の解決が期待できるかもしれません。

 

行政書士 加村

食品衛生法改正と基礎法学のお話

 こんにちは、加村行政書士事務所の加村です。

 

 今年の5月から、食品衛生法改正の経過措置が終わり、手作り漬物の製造・販売が許可制になります。

 例えば私の好物でもある「梅干し」などですね。

 

 許可を得るためには、一定の水準を満たした工場などの場所で作らなければなりません。

 

 新たに許認可の必要性が発生し、お困りの方がいるならば、我々行政書士がお力になれないかと思うところなのですが、専ら許可を得るために必要なのが設備のようなので、そうなるとできることが思い付かず少々歯がゆい部分があります。

 

 なので、今日は別のお話をしようと思います。

 

 行政書士試験にも関わるとても基本的な法律の話ですが、法律は『公布』と『施行』というステップを踏んで初めて効力が生まれます。

 今回の食品衛生法の改正を例に挙げると、この法律の改正自体は平成30年6月に行われました。そして、令和3年6月1日に施行されています。

 

 とても簡単に言うと、『公布』は「今度から法律がこういう風に変わるから準備しておいてね」と国民に知らせることです。

 そして『施行』は実際に改正通りの効果を生じることです。

 『公布』と『施行』は同日に行われることもあります。この知識は行政書士試験の過去問等でも聞かれていたように記憶しています。

 

 ですが、今日のトピックである食品衛生法の改正は、「令和3年に施行なのにどうして?」と思いますが、『経過措置』が用意されていました。

 早い話が、「準備しておいてね」という特例期間を別に設けるという例外です。

 そして、その経過措置の終わる期間が今年令和5年の5月まで、ということですね。

 

 このトピックは考えさせられることが多かったです。

 設備などの問題がありますし、そちらの業界ではかなり波紋を呼んでいたようですが、もし許認可でお困りのことがあれば行政書士に相談することも視野に入れてみてください。

 

行政書士 加村

補助金申請のお話

 こんにちは、加村行政書士事務所の加村です。

 

 先日見たニュースのお話です。

 

 大手企業の社員が、副業としてお客さんに補助金申請の話をもちかけ、コンサルティングや申請の代行をしていたようですね。

 

 先に結論から申し上げると、補助金の申請にまつわるサポートは行政書士だけに許された仕事です。

 これを無資格・無登録で行うと、行政書士法違反となり、最悪懲役・罰金刑に処せられます。

 行政書士は登録しなければ行政書士を名乗れず、仕事もできませんので、「私はちゃんと行政書士試験に合格しているので大丈夫ですよ!」というのは通用しません。

 

 まあ、サポートを受けた側が罰せられることはないので、「別にいいじゃん!」と言われるとそこまでではありますが……。

 

 なにに怒っているかというと、最近、このように行政書士でもないのに、補助金サポートをビジネスにしようとしている人が多く、行政書士という職業が軽く見られているように思います。

 上記で述べたように、「行政書士が得意としている仕事」ではありません、「行政書士でない者が行うと犯罪」なのです。

 

 補助金を必要とされる方は、多くがご自身で事業をなさっている方だと思います。行政書士は許認可を主な業務としていますので、補助金以外の相談に乗れる先生も多いと思います。

 個人的なお願いにはなりますが、補助金の相談は是非最寄りの行政書士さんに相談されることをお薦めしたいです。

 

行政書士 加村

銃砲刀剣類のお話

 こんにちは、加村行政書士事務所の加村です。

 

 今回は、『銃砲刀剣類』について簡単にお話したいと思います。

 

 『銃砲刀剣類』とは書いて字の如く「銃」と「剣」のことです。

 銃といえばアメリカの映画でおなじみの拳銃や、日本国内でも一部の方のみ扱うことが許されている猟銃ですね。

 日本で剣といえばやはり刀でしょう。土方歳三の愛刀とされる『和泉守兼定』などは有名かと思います。

 

 今回想定するのは後者の「刀」です。

 古流の剣術を修めていらっしゃる方や、ご先祖様から代々引き継いだ方などは刀をご自宅ないしはご実家にお持ちかと思います。

 

 ところが、刀などの危険な武器は登録や所有者変更の手続きをしなければ、違法になってしまう可能性があります。

 『銃刀法違反』という罪は皆さまにもなじみのある名前かと思います。

 最近では所持してはならない武器の中に『クロスボウ(日本ではボウガンという呼称も定着していました)』が追加されました。

 

 基本的に、武器類は原則として所持は禁止(第3条)であり、これを破ると懲役刑という重い刑罰が科されます。

「所持している」だけでアウトです。そして、その例外が「登録」を受けていることなので、「うっかり誰のものかわからないが真剣を見付けてしまった」時点で放置すべき問題ではありません。

「振り回さないし持ち歩かないから大丈夫でしょう」というのは看過されません。

 

 幸い、当事務所が存在する千葉県では、刀剣を見付けた場合の窓口を設けています。

 また、登録に関しては少し難しいようですが、所有者の変更に関しては手続きの案内もされています。

 

 もし、ご自身での対応に不安がある場合、行政書士に相談されることをおすすめいたします。

 

行政書士 加村

古物営業の許可

 こんにちは、加村行政書士事務所の加村です。

 

 行政書士という職業はまだまだどういう仕事をしているのかピンとこない方も多いようですが、ひとつの大きな柱が「許認可に関する仕事」です。

 

 「許認可」とはつまり官公署(役所)から「○○してもいいよ」というお許しをいただくことです。

 身近なところでいえば、食品関係は許可が要る、というのは皆さんもご存じではないでしょうか?

 なぜかといえば、食品を扱うということは、食中毒など重大な事故を招く可能性があるため、役所は把握したいのです。

 

 今回は、そんな許認可の中から「古物営業」について簡単にお話します。

 「古物」とは、つまりは「中古品」です。

 フリーマーケットでたまに自分の使わなくなった私物を安く売りに出すくらいなら、大目に見てくれる場合もあるでしょう。厳密には、自分のものを「売るだけ」なら許可は不要といわれています。

 

 しかし、「営業」として、つまりお金を儲ける目的をもって中古品を頻繁に売り買いする場合、「古物営業」の許可が必要です。

 これは販売する場所がインターネットオークションやフリマアプリ(ヤフオクやメルカリ等)でも同じです。

 

 古物商の許可を取るには、警察署を経由して公安委員会に申請を行います。

 なぜ警察なのでしょうか? ひとつの理由としては、盗品等の売買の防止が考えられます(古物営業法第1条)。

 

「税金をちゃんと納めていればいいんでしょう?」と思われる方もいるでしょうが、このように特定の営業(商売)をする上では、様々な官公署の許可が必要になる可能性があります。

 もしそうしたケースでお悩みの方は、行政書士等の専門家に相談されるとよいと思います。

 

行政書士 加村

行政書士試験

こんにちは、加村行政書士事務所の加村です。

 

本日は令和5年度行政書士試験の日のようですね。

 

私が行政書士試験試験に合格したのは令和2年度でした。

そもそも行政書士試験を受け始めたのがその10年前ほどでしょうか。

 

本来なら、具体的な勉強法を紹介したりしたいところですが、お恥ずかしいことに、私は勉強法というのをそもそもあまり意識せずにひたすらがむしゃらに勉強していたので、あまり語れることがありません……。

 

その上でいくつか紹介できることを書いてみようと思います。

 

●やったこと

とにかく問題集を解くことで不安を紛らわせていました。様々な出版社・予備校の市販の問題集を何度も周回していました。

 

●試験について

一時期は、行政書士試験の出題方式が悪いのだ、と恨んだりもしましたが、結論としては他の国家資格に比べると、直接過去問知識を問うてくることが多くないのは事実ですが、過去問研究をしっかりしていれば合格できるというのはあると思います。

 

●思い出

合格した年の試験会場は私の母校の中央大学多摩キャンパスでした。非常に感慨深かったです。

また、一般知識は1問失点でほぼ満点でした。

ですが、法令科目の出来はお世辞にも十分とは言い難く、自己採点では不合格だと思って試験後、非常に落胆していました。

ですが、記述問題の点数が思っていたより高く、合格点ギリギリでした。

 

これから行政書士試験を受けようと思っている方へ、勉強法については他の方に譲ります。

簡単に合格できる方には、特に言うことはありません。

 

なかなか合格できない方は、信頼できる方の勉強法を信じて一度徹底的にやってみましょう。ただ、それで合格できなかった時に、強い恨みの念を抱いてしまうので、できれば勉強法は自分で考案するか、恨みを抱きづらい予備校等の方法を信じるのがよいと思います。

 

また、私は法学部である程度民法等を履修しているという前提がありますが、別段予備校の行政書士講座を受けたことはありませんし、合格した年に使っていた教材はすべて市販のものなので、独学での合格は十分可能だと思います。

 

なので、個人的には不安のある方や、独学で手応えを得られない場合はなるべく大手予備校を利用したほうが良いと思います。

個人で発信されている情報は、取捨選択が難しいので、推奨はしません。

 

また、なんのために合格したいのか。

 

なにか自分に箔を付けたいと思っている方は、ただ試験に合格しただけでは行政書士は名乗れないので、あまり劇的な変化はないのが実際だと思います。

 

行政書士になりたい方は、非常に茨の道であることだけ申し上げておきます。

 

とはいえ、なにか目標のために勉強するというのはとても尊いことです。

 

少なからず「苦しい」という想いを抱えながら試験会場に行き、解答用紙にマークした方に、全力で労いの言葉をかけさせていただきたいと思います。

 

行政書士 加村